笹子地蔵霊験記その5
御嶽神社から長泉院までのレイライン。
残りの笹子地蔵・長泉院についても神秘的な場所としての伝説が残っている。
長泉院は大森氏が1470年(文明2年)に清泉院を現在地に移して開創した曹洞宗の寺院である。
笹子地蔵の悪犬伝説は1262年(弘長2年)の出来事として「長泉院来由記」に記されている。
詳しくは「悪犬退治と笹子地蔵」を参考にしてください。
ここで書かれている山犬とは絶滅したニホンオオカミを指す。
ニホンオオカミは秩父の三峰神社などで神の使いとされているが、ここでは恐ろしい動物(悪犬)として登場する。
板屋窪周辺の山を荒らし回っていたので、古くからの土着の神である金比羅大権現の分身が黄色大権現として悪犬退治をする伝説である。
地蔵堂の裏に地蔵石があることから、その側に悪犬が石に変わった鑵主石があることになる。
黄色大権現は天狗の姿をしており、しばらく天狗石に座って休んだ後に飛び去っていったのですが、天狗石は湧き水の近くにある笹子地蔵の上にある巨大な石ではないかと思われます。
笹子地蔵については更に深く検証したいと思います。
つぎに今の長泉院がある場所の伝説を紹介します。
1342年頃大森彦七による大龍退治という伝説です。
龍は中国では皇帝を指すぐらい尊い想像上の動物で、日本では水を司る神獣なのであります。
しかし、ここでは火を噴く西洋のドラゴンに相当する怪物として登場する。
詳しくは「塚原の大森彦七」を参考にしてください。
大龍が現れた場所が長泉院の龍門橋付近で、龍と戦った刀を洗った川が大刀洗川と命名された。
その刀を地面に突き立て供養したのが大刀塚、その周辺を塚原と呼ぶようになったのが地名の始まりとなったとのことである。
上の写真が竜門橋で神秘的雰囲気である。
狼伝説やドラゴン伝説と南足柄市には神秘的な場所が多いのに驚く。
続く
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